王様のいる学校





「ぶっちゃけ、あいつのどこがいいわけ?俺にはあいつから女の魅力、感じないんだけど。」



そう馬鹿にしてやると、爽やかくんのおろしていた拳に力が入ったのが見えた。



「先輩に、何がわかるんですか。」




「あ?わかんねーよ。」


そう言うと、さらに怒ったように睨みつけてくる。



こいつの感情の変化を、面白いように感じられる。


わかりやすいやつ。



「実際、お前モテんだろ。さっき女に囲まれてんの見たけどさ。そんなモテ男がなんであいつなわけ?」



ムカつくけど、こいつ確かにイケメン。


きれいな顔してるし。

うざいくらいの爽やかくん。


こんだけモテるなら、女なんて選び放題。


なのに、選んだのはりんごだ。



「片岡の良さを知らないだけです。」


「良さねー……」


ゆっくりと歩いていき、壁の方へともたれかかった。




「片岡に、近づかないでください…。」


爽やかくんは真剣な目で訴えてくる。