りんごがいなくなって、ここには俺と爽やかくんだけ。
二人でいるこの空間にイラついていると、強い視線を感じた。
パッと視線の方を見ると……
やっぱりコイツか。
「なんだよ。」
いつまでも睨んでいる爽やかくん。
「いや、別に…。」
俺が睨み返すと目をそらし、不機嫌そうに立ち上がった。
そして、歩いていこうとする。
「あ、お前さ…」
ここから離れようとするのを、引き止めるように声をかけた。
すると立ち止まって、また不機嫌そうに振り返った。
「なんですか。」
こいつ、俺を敵視している目。
「お前、あいつのこと好きなの?」
面倒だから、直球で聞く。
すると一瞬驚いた顔になったけど、その顔はすぐに元の不機嫌な顔に戻った。
「だったら…、だったら何だっていうんですか。」
喧嘩ごしの表情。
俺にこんな顔する男は、久しぶりだ。
面白い。
受けて立ってやるよ。
