王様のいる学校




〜矢野side〜


昼食休憩。


いつも通り、弁当を食べにりんごのところへ行く。


校庭を歩きながら探していると、見慣れた顔が見えた。


男と一緒に座っている、りんご。



てか、隣りにいる男ってさっきの爽やかくんじゃん。


あいつ彼氏じゃないみたいなこと言ってたけど、ガッツリ二人でいるし。



そんな二人を遠まきに見ていた俺は、爽やかくんに自然と目がいった。


なぜなら、そいつの目線が気になったから。


りんごしか見てないような…

そんな愛おしそうな目…



「おい!」


俺はイライラしてきて、そう叫んで二人に近づいていく。


りんごはその声に驚いたようにこっちを見て、とっさに立ち上がった。


「や、矢野先輩!」


「お前、弁当は?」


戸惑っているりんごに、ぶっきらぼうに言い放つ。



「すみません!すぐに持ってきます!」


怒っていると感じたのか…

すぐに自分の席まで走っていった。