「やっぱり四人集まると圧巻だよね。」
ボーッと廊下に立っていた私に、友達の優希(Yuki)が言う。
「圧巻?あの人たちみんな最低だよ。」
「そう?まあ矢野先輩はやりすぎだと思うけど……」
「ああいうヤツ、一番嫌い!」
正義感の強い私は、昔からいじめみたいのを許せる性格ではなかった。
矢野先輩の行動を見るたびに、苛立ちを覚える。
「柚ったら、そんなに嫌いならガツンと言ってやればいいのに。」
教室に戻り、机を挟んで向かい合う。
優希とは、高校に入ってから知り合い。
今ではみんなが怖くて口にもできないような、矢野先輩の話題も話せる仲だ。
「できるならやりたいよ!でもそんなことしたら何されるか。優希だってわかってるくせに。」
「まあねー。けど、頭踏みつけるのはさすがにやばかったよね。」
「本当だよ!普通だったら止めに入るところだけど…、相手が悪いよう。」
机に突っ伏して、柚は大きなため息をついた。
