王様のいる学校




そして少し微笑みながら、また続けた。




「そんなのわかってるのに、藤くんったらフォローするの。私の笑顔が好きとか本心だからとか、無理やりだよね。直球すぎて恥ずかしくなっちゃったよ。」



思い出すだけで、ちょっぴり照れる。



話し終わって、一人でニコニコ笑っていたら…


「え、それだけ?」


優希は口をあんぐり開けて、ぼーっと私を見る。



「あ、うん…。だって恥ずかしいことばっかり、すんなり言うから。」


すると、優希は頭を抱えた。



そしてため息をつくなり、

「藤、かわいそ…。」

と、小さな声でいう。



「え、なんのこと?」


「さすがに同情するわ。」


さっきから優希は何を言ってるのか…

さっぱりだ。


「柚のその鈍感さは、どうやったら直るのかね。」


突然立ち上がると、お尻の砂をはらってどこかに歩いていった。



さっきから全然話が読めない私は、ただ首をかしげて優希の後ろ姿をみていた。