藤くんが、私の彼氏??
「そんなわけないじゃないですか!藤くんは友達ですよ!」
誤解されないようにと、必死で誤解をといた。
「あっそ。まあ、興味ないけど。」
「ですよね…。」
思いのほか傷ついていた私は、上手く笑えなくて戸惑っていた。
すると、突然…
「そういえば、おめでと。」
そう言って、髪をクシャクシャッとしながら立ち上がった。
「え?何がですか?」
わからなくてそう言った私を見て、大きなため息をついた。
そして、残念そうな顔をしながら
「わかんねーならいいよ。」
と、歩いて行ってしまった。
「あ……」
いなくなったあとで、おめでとうの意味に気づいた。
「障害物走……」
もしかして、わざわざそれを言いにきてくれたのかな。
そう思ったら嬉しくて。
自然と笑顔になった。
興味がないと言われたけど…
少しでも気にしてくれてたっていうだけで、嬉しいことなんだと思った。
それほど、私は……
先輩のことが好きになってたんだ。
