王様のいる学校




「斗真、ルイちゃんが行きそうなところ知らない?」


不安そうな表情をうかべて、俺のベッドに座り込む母さん。


「七時にはあいつ、学校でてた。」


「そう…。何かあったのかしら。」

ますます不安な顔をしている。


俺もつられて、いっそう不安になる。


「携帯は?」


「それがつながらないらしくて…。」


「俺、そこら辺見てくる!」


肌寒い季節。

近くにあったパーカーを手にとり、部屋を飛び出す。


玄関でルイの母さんとすれ違った。

頭をかかえて座り込み、顔は真っ青だった。



走って走って走りまくって、夜中にいろんなところで叫んでいた。


「どこだよ…」


一時半になり、人影はまったくない。


中学の登下校の道を歩きながら、もう一度ルイの携帯に電話をかけた。


すると、聞きなれたメロディーが遠くの方で小さく聞こえた。