王様のいる学校




あれは中学三年の秋。


俺は中学でサッカー部に所属していた。

秀司と仲良くなったのも、そのサッカー部に入ったのがきっかけだった。


俺はその時期、引退試合をひかえていて、毎日帰りは遅かった。

だからルイと帰るのもたまに…


俺が悪かったんだ。


あの時ちゃんと一緒にいれば……

あんな事件は起きなかった。







サッカーの練習中。

フェンス越しに、薄暗くなった夜道を歩いているルイを見つけた。


「どうした?今帰り?」


「あ、うん。なんか委員の仕事がなかなか終わらなくて…」


中学のころは今よりも柔らかい雰囲気で、ハーフっていうこともあって男からすごい人気だった。


「一人で平気?」


「うん、大丈夫だよ?じゃあね。」


ヒラヒラと笑顔で手をふって、夜道に消えていった。


俺はこの後、ルイの身に何か起こるなんて思ってもみなかったんだ。


時間も遅かったし、部活が終わるまで待ってろって言ってれば…

そう後悔することになるなんて…