〜矢野side〜
一日の授業を終えた放課後。
俺は生徒会室で寝ていた。
これはいつものこと。
「斗真、起きて。」
寝ている俺の体は揺すられながら、優しく落ち着いた声に起こされた。
「んぅー…、終わった?」
眠い目をこすって、ぐーっと腕を伸ばす。
「うん。ごめんね、いつも。」
俺がここで寝ているのは、こいつを待っていたから。
普段クールをきどってる、生徒会長。
桐瀬ルイ。
「じゃ、帰るか。」
俺とルイは、実は幼馴染み。
家も近所で、小学校からの仲なんだ。
「てか、外暗いな。」
外に出ると辺りは薄暗くなっていて、もう七時を回っていた。
「毎日待っててくれなくてもいいのに。」
靴をはいて、下駄箱からでてきたルイ。
「何度も言わせんなよ。」
俺は約束したんだ。
ルイを守ること。
毎日こいつを待っているのには、理由がある。
幼馴染みだから一緒に帰ってる、っていうのもあるけど…
他にも理由があって。
