矢野先輩と昼休みを過ごすようになってから、一ヶ月が経とうとしていた。


今日も安定の屋上。

安定のお弁当。


だけど少し違うのが、気持ち。


あれ以来。

先輩の言葉や反応や声や笑顔や…

些細なことにもドキドキ、モヤモヤ…



そんなことを優希と話していたら、ずばり言われてしまった。





「柚!それは恋だよ、恋!!」





自分では全然意識してなかったけど。

本当にそうなのかな…


意識しすぎて、矢野先輩の目を見れなくなってしまった。



「って、おい…。聞いてる?」


「え?あ、はい!」


「なんだよ、お前最近おかしいぞ?」


そう言われて、必死に平静をよそおう。



こんなことを思っているなんて、知られたくない。


それに、なんだか…

もしこの想いが本当だったら。

この関係が終わってしまいそうで…



怖かった。