王様のいる学校





だけど、それを本人の口から聞けるとは思ってなかった。

驚きを隠せない…



「噂通りか。うーん、どうだろ。俺、噂とか興味ないからよくわかんない!」


素直で、とても明るい人。


四天王と恐れられる中。

一人だけ、誰にでもフレンドリーな先輩。


おそらく四天王の存在からは、一番遠い人。



「あ、そういえば何か用だった?」


そう言われて思い出した大切な用事。



「忘れてた!…これ、担任が生徒会室に持ってけって言って、頼まれてて。」


「ああ。じゃあ、結果邪魔してたの俺か。ごめんごめん!あんたが謝る必要なんてなかったじゃん。」



笑顔で言う先輩を見て、すごく話しやすい人だ。

そう思った。



こうして話してみると、安藤先輩を目当てに寄ってくる女の人たちの気持ちも、わからなくなかった。



特別かっこいいってわけじゃないけど。


ほとんど初対面の私にも、優しくて明るくて素直で…。


とても良い人だった。


軽いところが、少しひっかかるけど…