そうして、結局一人で行くことになり…


「一応、生徒会室の前までは来てみたものの。やっぱり入りづらいよー…」


ドアを開けられずに、茶封筒を胸に抱いて立っていた。


すると、かすかに中から声が聞こえた。


「中に、誰かいる…?」


勇気を出して、ドアに手をかけた。


そして隙間を開けて中を覗く。


「…あんっ。…しゅ…じ、んぅー…」


体を絡ませて、甘い声を出す女の人。

濃厚なキスを目撃してしまった。


相手は、安藤秀司先輩。


それを見て、やばいと思い後ずさる。

しかし、今日はついていない。


ポケットに入っていた携帯が、ガシャン
と音をたてて床に落ちた。



体が一瞬にして固まる。



「ごめん、また今度ね。」と言う、安藤先輩の声が遠くから聞こえる。


そしてその直後、目の前のドアが開いた。


ついさっきまで安藤先輩とキスをしていた女の人。


すごい派手な人…

髪はクルクル巻かれていて、ばっちりメイクの短いスカート。


チッと舌打ちをして、私の横を通り過ぎて行った。