生徒会室から離れて、屋上にて。
お弁当を食べ終えた先輩は、仰向けになって気持ち良さそうに寝ていた。
「きれいな顔…」
壁に寄りかかりながら、寝ている先輩の顔を見て微笑んだ。
あまりにもきれいな顔をしていて、もっと近くで見たい。
そう思ってしまった。
なぜか吸い寄せられるように、だんだんと近づいていく。
「キャッ…!」
突然何かに引っ張られて、バランスを崩した。
そして、先輩の上に覆いかぶさるようにして倒れこむ。
私の腕には、先輩の手が握られていた。
「え?」
じーっと見つめ合う二人。
そして先輩は、少しずつ私の方に顔を近づけていく。
「や、矢野、先輩…?」
心臓がいつにも増してドキドキと激しくなる。
そのドキドキに耐えられなくなって、どうにか動こうとした。
しかし、先輩の手がしっかりと握られていて、逃げさせてくれない。
だんだんと二人の距離は近くなり…
思わずギュッと目をつぶった。
