王様のいる学校




「なにイライラしてんの?」


全て拾い終えた秀司は、私をなだめるように優しい目でいった。


何か少し恥ずかしくなって、その優しさから目をそらしてしまった。



しばらく沈黙になり、秀司は静かな生徒会室で退屈そう。


足をぶらぶらさせながら、私の目の前の机に座っている。




「じゃ、こっからが本題ってことで。」


しばらく黙っていた私の体は、秀司の突然の言葉に反応してピクッと動いた。


「呼び出しといて、俺に何か用?」


イラついていたさっきまでの気持ちとは対象的に、なんと言っていいかわからない。

そんな感情になった。


「え?何その反応。」

私はまだ黙っていた。


「まさか、わざわざ呼び出しといて、なんでもないなんて言わないよな?」


冗談っぽく言う秀司。


私は首を横にふる。

そして小さな声で口を開いた。



「………ま…」



「え?」


聞き取れなかったようで、必死に聞こうとしている秀司。


今度ははっきりと、静かに、答えた。








「斗真を、斗真をとめて。」