「毎日入ってたら、きっと飽きると思って…」


そう言った私の顔をじっと見て、それからつまんなそうに遠くを見た。


「お前さ、俺と話すの慣れてきたろ。」


「え?」


「最初ここにきた時は、ビクビクして俺と目も合わせられなかったくせに。今となっちゃ堂々と目合わせて、言いたい放題だもんな。」


そう言いながら、口にお弁当を頬張る。


「いや、なんというか…。矢野先輩のイメージが、なかなか違ったもので…。」


最初はあんなに恐ろしかったけど

今じゃ、普通に話せてしまってる。



「なんだよ。そんなに怖くねーの?」


「はい!」


「即答かよ。」

フッと笑う先輩。


私たちの関係は、いつの間にかだんだんと近づいていた。



最初は先輩のことが嫌いだった。


けど、関わりが深まっていくにつれて、少しずつ先輩の本当の姿が見えてきていた。