あれから二週間がたった。
矢野斗真という王様の、ターゲットにされた日から。
「あれから毎日?」
「そう、毎日。」
机においてあるお弁当を見ながら、お昼休みに話している。
私と優希。
「まさかターゲットを女の子に決めたと思ったら、お弁当を作らせるなんて。」
携帯片手に驚く優希。
「今までの命令とは大違いね。」
そんな彼女の顔には、期待外れだとかいてあるようだ。
なぜか少し不満げでもある。
「ちょっと、誰のせいだと思ってるの!優希を助けようと思って、こうなったっていうのに…」
「あ、ごめんごめん。」
そう言って舌をペロッと出す。
調子いいんだから…
本当に悪いと思ってるのか?
でもどうしても憎めなくて、許しちゃうんだよね。
けど、もう少し心配してくれたって。