とうとう決まってしまったターゲット。


それはなんと、私だ……。


「女子は異例」と騒がしくなる廊下。


「お前らうるせえんだよ!文句あんのか!」


矢野先輩の言葉で、一斉に静かになった。



「こりゃ、どうしようもねーな。」

「もう知らなーい。」


安藤先輩と篠山撫子先輩。

そんな呆れた声が、耳に届いてきた。


声のする方を向くと、二人の横で腕組みをして、無言な桐瀬先輩が見えた。



「ルイ、どうかした?」


そんな姿を見て、篠山先輩が不思議そうに聞いていた。


「別に。」


それに対して、相変わらずクールに返す桐瀬先輩。


「お前ら、行くぞ。」

ぞろぞろと歩き出す四人。


私は放心状態でその場に立ちつくす。


その時、ドンッと鈍い音がして…

私は地面に倒れこむ。


歩き出した四人は、おかしな状況に気づき一斉に振り返った。