「お前、見てたろ。」
軽く頭をひっぱたいて、寝ているこいつの背中の上に乗る。
「うえっ…、重いっつうの!」
耐えきれなくなって、俺をどかすように起き上がった。
「人が寝てるすきに、イチャついてんじゃねーよ。」
「生徒会室で、堂々とヤってるお前と一緒にすんな。」
「別に誰にも迷惑かけてねーだろ?」
猫のように腕を伸ばして、気持ち良さそうにソファにもたれた。
「いいなー。ルイから挨拶のちゅーなんて、されたことねーぞ?」
奥からドライヤーの音が聞こえてきて、ルイはきっとまだ髪を乾かしている途中だろう。
「いいなー、斗真は。」
「うっせーなー。」
秀司は羨ましそうに、鋭い切れ長の目を向けている。
そんな時、髪を乾かし終えたルイが帰ってきた。
「あ、起きたんだ。」
「おう!あー、よく寝た!」
「秀司、そういえば。盗み見は良くないと思うよ?」
最後にニコッと微笑んだ。
ぞくっと背筋が寒くなる。
気づいてたのかこいつ……
