「なーんだ、ちょっと期待したのにな。」



残念そうに髪の毛をとかしていく。




結局ドライヤー使ってないし。






「わかったから、早く乾かしてこい。」




ルイの前を通りながら、髪をクシャクシャッと撫でていった。





すると……


「斗真!」




後ろから腕を引っ張られて、頬に暖かいものが当たった。




ちゅっ




「お前何やって……!」




一瞬で顔が赤くなるのを感じて、ひじを顔の前までもってきて必死で覆い隠す。





「何よー、こんなの挨拶でしょ?」



ニコッと笑って平然とした顔。





俺だけ顔赤くなって、なんかかっこ悪い。


てか、不意打ちすぎんだよ。





「ここは日本だ!」




ハーフだからって、外国の挨拶みたいにしやがって……




「パパにだって、やってるもーん。」




ドライヤーを片手に、髪をワサワサと触りながらリビングをでていった。




たく……


本当、ルイには困ったもんだ。




頭をかきながら後ろを振り返ると、不自然な格好で寝ているやつを見つけた。