「あのね?」
きっと私が戸惑っていたことを、感じてくれたのかもしれない。
私の目をジッと見つめながら、先輩は言った。
「本当は、四人で行くつもりだったの。でも、ルイと秀司の都合があわなくなって、結局斗真と二人。ただそれだけ!」
そして最後にニコッと微笑んで、
「だから、安心して?」
と、そう言った。
「安心なんて、そんな…」
「あれ?だって、好きなんでしょ?」
駅も近くなってきたころ。
先輩は全て見透かしているかのように、私を見つめて言った。
驚きと恥ずかしさで、今どんな顔をしているんだろう。
自分でもどんな風に立っているのかすら、わからなくなっていた。
「あ、やっぱり図星か!わっかりやすいなー。聞いてみて正解。」
驚いた…。
また試されてたんだ。
先輩は駅に着くと改札の前で手を振り、ありがとうと叫んで帰っていく。
私の心をかき乱しながら、嵐のように去って行った。
私は今日のことでわかった。
篠山先輩が、……苦手です。
