「でー?何なの?」
しばらく歩いてから、先輩が言った。
「何、とぼけた顔して。私になんか話があったんでしょ?」
どうして気づかれたのか、全くわからないけど。
見透かされてたみたいだ。
私は先輩と話すために一緒の時間に帰って、タイミングを見計らっていた。
「なんで、そう思ったんですか…?」
「なんでって、わざわざ私と同じタイミングに帰るなんておかしいじゃない。だから何か聞きたいことでもあるのかと思って、駅まで来てもらったんだけど。」
ニコッと笑って、そう言った。
この人、怖い。
全てお見通しというか…
勘がいいというか…
私がこうして一緒に駅へ来ているのは、先輩に仕組まれたことだったらしい。
でもこの話題に入ったのなら、もうタイミングを見計らう必要はない。
「正直に、答えてもらえますか?」
「もちろん。」
ふぅーと息を整えて、一番気になっていて一番聞きたかったことを聞く。
「矢野先輩と、付き合ってるんですか?」
