午前の授業も終わり、昼休み。
いつもの光景がはじまる。
「あーあ、お前もうつまんねえ。飽きた。ターゲットにする価値もねえ。」
そう言って、ターゲットにしていた男子のお腹に蹴りを一発。
壁にもたれながら、蹴られたお腹を抑えてうずくまった。
「次は誰だ?俺の、げーぼーく。」
ニヤッと不気味な笑み。
その場にいた全員が顔を伏せた。
そして、ターゲットにされないように必死に息をひそめる。
そんな光景を、堂々とした姿で見ている四天王の三人。
「またはじまったよ。」
三人のうちの誰かの声が、廊下に響く。
どれだけ大勢の生徒が息をひそめているか。
この響く声が物語っている。
すると、ごとんっ。
静かな廊下に響く音。
ザッと全員の視線が集まる。
「ご、ごめんなさい…」
それは、優希だった。
