それから私は友達と遊んだり、バイトづくしだったけど、充実した夏休みを送っていた。
そろそろ休みも終わりに近づいてきたという頃。
「りんご。お前、明日バイトの後、なんか予定ある?」
突然、矢野先輩から声をかけられた。
驚いたけど、これは私をなにかに誘おうとしてるに違いない。
そうしたら嬉しくて、顔が一瞬で熱くなった。
「はい!全然空いてます!」
思わず勢いよく言ってしまったら、先輩は笑い出した。
「な、なんで笑うんですか…。」
そんなに笑われるなんて、恥ずかしすぎる。
「あ、いや、わりぃ。でも空いてんならよかった。お前明日うち来い。」
目が点になる。
今、うちに来いと……
うち……、家……、部屋………
ええええええええええ!!
心の中で叫んだ。
妄想が膨らみすぎて、頭がおかしくなりそう。
