王様のいる学校






一日の入院生活を終えて、私はすぐにバイトへ向かった。



しばらく休みっぱなしだったから、もう迷惑はかけられない。








「りんご、お前なにやってんだよ…」




早速バイトに入っていた私に、来たばかりの矢野先輩は驚いた声で言った。



「えっと、バイトです!」


「それはわかってるけど。何で今日退院のやつがバイト入ってんだってこと。」



先輩が少し呆れたように言いながら、バイトの支度をし始めた。



すると奥から顔を出した店長が


「俺も止めたんだけどねー。」


と、苦笑い。



「たく、少しくらい家で休んでろよ。」



家で、休むか……


できるだけ家にいたくない私にとっては、それは一番嫌なこと。




「私、何ともないですから!迷惑じゃなければ、お願いします!」


頭をさげて、店長に向かってお願いする。




すると店長は頬に手を当てて悩んだ後、頷いて言った。



「うーん、まあ入ってくれることにこしたことないからね。うん、いいよ!」





「おじさん…。あ、店長!ありがとうございます!」