矢野先輩と広太と三人で話しこんでいたら、すっかり遅くなってしまった。
「先輩、そろそろ帰った方が…。広太が眠そうですよ?」
さっきから目が閉じそうなのを、必死に我慢している広太が気になっていた。
「ああ、そうだな。帰るか、広太。」
そう言われると、半分閉じかけている目をパッとあけて先輩を見た。
「やだ!眠くない!柚ともっと話す!」
そう駄々をこねている広太が、可愛くてしょうがなかった。
「広太、わがまま言うなよ。」
広太をなだめている先輩。
本当にお兄ちゃんなんだなと実感した。
兄弟がいない私には、凄く羨ましい光景。
「柚、また会える?」
トロンとした目で私を見て、悲しそうに聞いてくる。
可愛い……
可愛すぎる………
「うん!また会えるよ!」
そう笑顔で言うと、パアッと顔を明るくして、とびっきりの笑顔で頷いた。
先輩と広太が病室から出て行くと、一人になった私。
