何故、そんなに知らないふりを
しているのか分からないけど
あの世界は必ずあったもの。
じゃあどうして私はここに居るの?
「…いやもしかして……この世界は、夢なの?」
「え?」
「段々、分からなくて…
今じゃ、あの世界の方が
現実なんじゃないかって思ってて…」
「たちば……っ」
「もしかしたら、これは、
この世界の方が夢なんじゃないのかな?」
そうだとしたら、この世界はなんだ?
この平和な世界が
私が作り出した空想の世界だとしたら
あの世界の私は……眠っているのか?
「今見ている世界が私の空想世界だとしたら
私は、現実から目を背けている事になる!」
「なに言っ…」
「私はキルドの爪に刺された!
なら、私は今もなお
ベッドに眠っているんじゃないのか?」
「ミラナ、聞け!」
ミラナと呼ばれ、確信が事実に変わった。
シャツを掴む手に、
更に力が入る。