「記憶」







疑問に思いながら制服に着替え、

いつものように迎えにきた

二人と学校へ登校する。



学校に着いてはいつも通りだ。



ただ………




「…な……ちばな」

「……………」

「おーい、橘花雅。問2を答えろ」



先生に呼ばれた。



ガタン…とよろけながら

席を立ち、私は…



「…キルドは人間の怨憎から生まれる。
962年、奴らに占領された
カドリナ国の討伐作戦は
六百人の多大なる犠牲を払い成功…
人類は大きな損害を受け、
967年、特別班による……」

「ちょ、ちょっと待て、橘花」




先生のその焦った声色で

ハッと我にかえった。



い、今、私……何言って……っ?




「えーっと…今は国語の時間だぞー?
そりゃどこの国の歴史だ?」



思わず、口元を抑える。