そこでボンヤリしている

自分の状況が理解出来た。





そうだ……私は、

腹を刺されたんだ。化け物に。



この世界を食らう、

キルドという化け物の爪に

刺されたのだ。




そして、彼は…

私を抱いてくれているのか。





やだなぁ、泣かないでよ、

隊長でしょう?





そう声をかけたいのに、

涙を拭ってあげたいのに、




声が…力が……出ない。





「ミラナ…ッ死ぬな…!」





彼が私の名を呼びながら

ぎゅうっと私の手を握っている。





ああ、もう……






貴方の手の温もりも感じられない。