野原一面に広がるクローバーの中には、幸福が紛れている。

四葉のクローバー

四葉のクローバーは幸福の象徴。
――見付ると、其者には幸福が訪れると噂されている。

幼い頃、祖母から其の話を聞いた私は一日中野原の中を這い蹲って、汗水流しながら四葉のクローバーを探し回ったのは今では遠い思い出。
結局祖母の家へ泊まっている間には見付ける事が出来なくて、号泣して「もう一泊するの!」と駄々を捏ねる私を、両親が呆れた様子で無理やり引き摺って帰ったんだっけ?
両親には本当に申し訳ない事をしたと思っているつもり。

でも、あれ? なんだろう。

何かもう一つ――
大切な事を忘れているような

あの時、確か

「―― が たい   る ら!!
そ たら、 に けに  よッ!!!

だから、待ってて」