カチャっとシートベルトが外れる音がしたかと思うと、 急に大和さんに抱きしめられた。 こうなるとわたしの涙腺は完全に崩壊してしまって、 暫く大和さんの胸の中で泣いてしまった。 「落ち着いたか?」 「ハイ」 わたしが泣きやむと、大和さんがわたしから離れた。 あ、離れちゃう、 ついスーツの裾を掴んでしまった。 「何」 「あ、ううん、何でもないです」