俊にいにとってわたしはいつまでも“妹”で。
きっと最初から結婚なんて思っていないんだと思う。
「敵わないな、こはるには」
クスっと笑ってから立ち上がった。
「過去に目を背けていたのは俺の方だったのかもな」
きっとずっと傷ついていたんだよね。
時間が経っても忘れる事は出来なくて。
だからわたしと、なんて思ったりしたんだ。
でもきっとそれは間違い。
たとえお互いその道を選んでもきっと残るのは後悔だけ。
「悪かったな、こはる」
「ううん、わたしこそ」
もっと早く気付いてあげられればよかったんだ。
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