「そんな顔、すんな」 「でも。知っていたのよね、あなたの子じゃないって」 「あぁ。だから別れた。傷付いたお前を切り捨てるようで悪かったな」 「やま、と」 だから、そんな顔をすんなよ。 「俺はまだお前を許してねぇ。それはこの先も多分かわらねぇよ」 傷はまだ完全に癒えたわけじゃない。 ふとした瞬間に、大きな不安も訪れる。