懐かしむには近いような気がする小さくて大きな出来事。 あの時もしーーふとそんな事を想像してみる。 何も知らないまま、 いや、知ってそれでも香那と一緒になったら。 どう頑張っても想像は出来ない。 家族を作る事よりも、すぐに思い浮かぶのは小さな存在。 もしもなんて話はどこにもない。 今、目の前にあるのが俺の現実だ。 「大和?」 ふとぼやけた視線がクリアになる。 目の前の香那は泣きそうな顔をしていた。