気付いたらわたしとぶつかった人は一緒に座っていた。 見るとその人の周りにはいっぱい用紙がちらかっていて、 いけない、そう言いながらまとめ始める。 「あ、すみません!」 わたしも手伝おうと手を伸ばした。 「ありがとうございました」 全部拾い上げると、女の人は丁寧にお辞儀をした。 真面目そうで、優しそうな人だ。 キレイ、とまではいかないでも、やわらかそうで いい人なんだなって、そう思えた。 「わたしこそ、ぶつかってごめんなさい」 「いいんです、私が、悪いから」