「この前は悪かったな」 「わたしも。ごめんなさい」 笑い合うと、自然にお互い素直に言葉が出た。 「いや、こはるは何も悪くないだろ。勝手に帰ったのは俺の方だし」 「でもわたし、嫌な気持ちにさせたのかなって、原田くんの事も。 俊にいの事も」 「ありゃあいいんだよ、もう」 「よくないです、だってわたし、大和さんの彼女ですから」 そう言うと大和さんがわたしの傍まできて、ぽんっと頭に手をのせられた。 ずっと触れたかった 触れて欲しかった、手。 その仕草一つでわたしはこんなに安心するんだ。