「ううん!そんなんじゃないのよ。圭祐から聞いていた人だから、気になっただけ」

慌てて否定すると、凌祐は小さく笑った。

「分かってるよ。ちょっと意地悪で、言ってみただけなんだ。美亜は、俺だけを見ていればいい」

「うん…」

そして、唇が重なる。

舌を絡める様にキスをしながら、凌祐の手が服へと伸びてきた。

「美亜の事を、やっと本当に抱いてる気がするよ。だから、これからもずっと、俺だけを見ていて欲しい」

「うん。当たり前だよ」

私だって、凌祐のキスも体の温もりも、本当に感じる事が出来るから。

今までの、どこか虚しかった気持ちとは違う。

想いが重なり合った今だから、感じる幸せ。

凌祐は慣れた手つきで服を脱がすと、体中にキスをしてきた。

その度にこぼれる甘い声。

それに反応する様に凌祐は指を這わせ始め、そして体を重ねたのだった。

乱れるお互いの呼吸。

汗ばむ素肌。

敦貴との再会は、心が乱されるものだったけれど、もう忘れてしまおう。

そうだ。

LOVE RINGも、この際返してしまおうか。

それがいい。

持って来てと頼んだのは、敦貴の方なのだから。