しばらく教室がざわついたあと、1人の男子が言った。
「先生ー、最後の質問はー?」
周りの女子たちが、よくぞ聞いた、という顔でその男子を見つめ、先生に再び顔を向ける。
先生は困っているようだ。
「そういう質問は、別に聞いたってどうにもなんないだろ。」
「まあまあ、でもせっかくなんだし!」
「……。」
少し黙っていると、扉が開いた。
「早瀬先生、お話のところすみません。ちょっと来てもらえますか?」
「はい、わかりました。ごめん、みんな先に終礼進めてて!」
そう言うと、ベテランの女の先生と一緒にどこかへ行ってしまった。
「あーん、あと少しだったのにー!」
「行っちゃったね〜」
そのあと先生は教室に戻ってきたけど、
適当にごまかしていた。
そんなに、言いたくないのかな?
先生は多分あまり自分のことを話したがらないんだろうなと私は思った。