チョコよりも甘く

葵の部屋にきて、スウェットを貸してもらった。



「適当に制服かけて。」


紗姫はハンガーを渡された。



「ありがと!」



あたしがハンガーを受け取ってブレザーをかけている時に、携帯音が鳴り響いた。



「ん?あたしのだ!誰からだろ。」




鳴ったのはあたしの携帯だった。




画面には≪龍斗≫の文字が。




「はい。」



(今日もどってくるんだろうな。)



出てみるとすぐに、龍斗の怖い声が聞こえた。




「え!?いや、、、」



(は?だれが無断外泊していいなんて言った??はやく戻ってこいよ。)



「え、、、わ、わかった。」





―ピッ




「誰から?」

「龍斗。」



「何だって?」

「今から帰ってこいだって…。」



「ん~…そっかそっか。彼氏の呼び出しじゃしょうがないよ!行ってきな!!」


葵は残念そうに言った。


「うん…ごめんねいろいろしてもらったのに。」



あたしは自分勝手な事に嫌気がさした。








こんなに優柔不断なあたしにすら

優しくしてくれる葵。

理解してくれる葵。



あたしはいい友達に恵まれた事を神様に感謝した。