チョコよりも甘く

その後は何もなく、夕食は済み、あたしたちは片づけを手伝った。


「今日は泊ってきなよ!!」


葵はお皿を拭きながら、ほぼ強要をもちあわせた声で言ってきた。



「そうよー、そうしなさいよ。」

葵の隣でおばさんも言った。



「もう夜遅いんだし、そうしなって!!」


葵が上乗せた。



「や…、でも悪いんで…。」

「「大丈夫だって!!!」」





葵とおばさんは紗姫の遠慮がちな性格を知ってか、いつもこんな感じだ。



「じゃぁ…。」



紗姫は泊っていくことにした。

「そうとなったら、あたしの部屋いこ!! おかーさん、あとよろしくね!!」





葵は紗姫の腕をつかみ、引っ張りながら葵ママに言った。



「それとこれとは別でしょ!?」

おばさんは軽く怒りながら言ったが、あたしたちはもう階段を上っているところだった。