南城くんが玲汰のことがすきだなんて知らなかった…

だとしたら、あたしに勝ち目ないじゃん。



「玲汰のことすきなの?」


紗姫は涙をこらえながら聞いた。


「はぁ!?」


「だから、その…あたしに焼きもち妬いてるんでしょ?」


「ぷっ…」



何で吹き出すの?
しかも笑いこらえてるし…


「俺ホモじゃないから!てかすきな奴いるし、」


南城くんが笑いながら言った。




すきな人いるんだ…


こんなこと聞くぐらいなら、来なければよかったのかな。






「…誰…?」


紗姫は恐る恐る南城くんの顔を見た。





「……うわ、お前…本当に鈍感だな。こんなに話してもわかんないなんて」


南城くんは一瞬キョトンとし、改めるように言ってきた。




「鈍感で悪かったね!!」

「ホント可愛くねぇ。」


そう言うと南城くんは、マットから降りて紗姫の目の前に立った。



「どーせ可愛くないもんっ」

紗姫は目をそらした。



そんな言われなくてもわかってるのに、酷いよ…
南城くん、あたしのこと嫌いなんだよね?