チョコよりも甘く

「嘘つき。びちゃびちゃじゃん…」



玲汰は自分の指を見ながら言ってきた。



こんなん玲汰じゃない…




「…玲汰の変態!!」



紗姫は隣にあった枕を投げた。




「紗姫も十分変態じゃん…」


紗姫は顔を真っ赤にさせながら怒った。




「ばかあ!!今日の玲汰、おかしいよ!」

すると、玲汰はお腹を押さえながら笑った。



「ふはははっ…これが普通の俺だよ?……てか、男だから健康的じゃん」


あたしが知ってる玲汰は、こんな意地悪でエッチじゃない。
もっと…優しくて…。



「ふぇっ…」



怖かった。ものすごく怖かった。

紗姫は声を出しながら泣いた。




「…ごめんな、」

玲汰は紗姫をギュウッとした。


「やめてよー!…玲汰嫌いっ」

紗姫は必死に抵抗した。



「もう何もしないから、嫌いだなんて言うなよ…」


玲汰は涙を流した。


「……約束…して?」

「もうお前が誘わない限り、手ぇ出さない」


「………」
「……。」


紗姫も玲汰も黙っていた。