男子校の秘密【BL】

「あのぉ、お取り込み中すみませんが、あと一分で授業始まりますよ?」

すっかり存在を忘れられていた美河が、腕時計を見て、おずおずと口をはさんだ。

「あれ、お前まだいたの」

あまりにひどい言い種に、俺は琉賀の足をふんずけた。

思いっきり重心をかけたつもりだったのに、琉賀は全くダメージを受けていないようだった。

「じゃ、僕はこれで失礼します。ありがとうございました、田辺先輩」

「え?なんで俺の名前…」

問いかけた時には、既に美河は頭を下げ、走り出していた。

……意外に足が速い。