理不尽な仕打ちを受けた荘真はブツブツと文句言う

しかし、何かに気付いたのか廊下の壁を指さした

そちらを見れば、薄紫色の塗装が剥がれ錆だらけになっている古びた扉。

頼りなくドアノブにぶら下がっている紙を確認すると、葉月はスッと扉へ向きを変える


大半の生徒が廊下を進み続ける中、私達は廊下の壁にある扉へと近づいた

人混みに巻き込まれないようにしながら壁に沿って立ち止まり、葉月が扉を開く


『Sクラスの生徒はここから入るように。』

と、書かれている紙が揺れるのを視界の端で見ながら扉の奥へ入っていく


扉の奥に入るとすぐに階段があった

しっかりと扉を閉めたのを確認し、階段を登る

この階段はSクラスの教室に行くための数少ない通路の1つだ

Sクラスの教室は、A組からG組のクラスとは別の場所に建設されている

学園はSクラスを完全に他のクラスとは隔離するため別の場所に教室を設置していた