「えっ、なんで」

「桜が居なかったから戻ってきた」


夕哉そう言って踵を返すと葉月達ところへ歩いていく

手首は掴まれたままなので私は引っ張られるようにして歩いた


「振り返ったら桜居なくなってるし驚いた」

「....ごめん、人にぶつかって」


早足で人混みを進みながら会話を交える

どうにも私は迷惑をかけてしまう性分らしい

今日は夕哉に助けられてばかりだ


引っ張られるがままに歩いて行く

夕哉の身長のおかげなのか割と道は進みやすくなっている

うまいこと隙間を通って真正面を見ると葉月達の後ろ姿が見えた

すぐ近くだったのでそのままのスピードでも充分追いついた


「あっ!! なんで2人とも居なくなっちゃうのよ」


葉月がムスッとした顔で説教をし始める

情けない気持ちで説教を聞きながらはい、と返事をした


「ったく、もう」


まだ言いたげな表情をしていたが葉月は渋々説教を止めた


なだめる荘真に八つ当たりする葉月を見ていたら少し笑ってしまう