....顎が頭に刺さって地味に痛い
「葉月から。昇降口来てって」
「え、でも俺ら掲示板見てねーじゃん」
「そこも抜かり無いのが葉月だって。
私達のクラスも見てくれたらしいよ」
「さすが」
「それじゃあ、とりあえず行こうか」
私がそう言って携帯をポケットに入れると夕哉は顎を頭から話した
顎の乗っていた所がジンジンと痛むのでさすりながら夕哉の背中を追う
なるべく人混みを避けて昇降口までたどり着くと見慣れた3人が見えた
3人の所に小走りで行き、ポンポンと電話をしてきた葉月の肩を叩いた
「桜!」
葉月は綺麗な顔をこちらに向けた。
水宮 葉月(みずみや はづき)
初等部からの付き合いの1人で
姉御肌で大人っぽい美人
今回のクラスともいい、日頃からお世話になっている
心の中で深々とお辞儀をする
すると、葉月の背中からひょっこりとよく知った顔がこちらを窺った
そして私と目が合うと嬉しそうな顔をする
「桜、おはよう」
私の前までくると菫は笑いかけてきた
「うん、おはよう」
と、こちらも笑顔で返すと
菫も笑って彼女のボブカットの髪が揺れた
園川 菫(そのかわ すみれ)
旧家のお嬢様だったりする。
が、元気過ぎるからお嬢様に見えない
当の本人は私の目の前で嬉しそうに跳ねているのがいい例だ。
しかし菫は突然跳ねるのをやめ、こちらへと向き直る
「あのね、クラスの事なんだけど....」
菫は困ったように笑う
さすがにここまで表情に出ていると予想がつく
もう少し真顔で言ってくれた方が救われた

