されるがままに夕哉は小さくしゃがんだ
まあ実際にそうしてくれないとやりにくいのだけれど。
しかし頭突きは腹が立ったので思い切りネクタイを強く締める
頭上からは苦しそうにぐえ、という声が聞こえてきた
「はい、できた」
「おー、さんきゅ。」
「っていうか、髪の毛もボサボサじゃない。ブラウスの襟も酷い」
夕哉の朝の支度の酷さを指摘した
普段はちゃんと出来ているというのになんで今日に限ってこんに酷いのだろうか
「あー....、うん。」
「何よ」
「いやあ、桜がもういないもんだから焦って出てきたからな」
ははは、と夕哉は苦笑した
それとは裏腹に私は呻きながら考え込んだ
そういえば、夕哉は何かと私を気に掛ける
私の目を引く茶髪の事なら心配する理由としはわかる
しかし、いくら幼馴染みとは言っても過保護すぎやしないだろうか
「夕哉は私の髪以外、心配する理由ってあるの?」

