「リナ、今日は帰るぞ。」
そう言って、新が私の右手をひく。
「えっ!」
新は既に自分の荷物も私の荷物も持っていて、そのまま私を教室の外まで連れていく。
劇の練習勝手に抜けて大丈夫なのかな?
ていうか、なにも教室で手繋ぐことないのに…!
今更ながら恥ずかしい…。
鏡で見なくてもわかる。きっといまの私の顔は真っ赤に染まってるはず。
「あ、あの、新、手離して…。」
「ごめんっ!リナが困ってたから早く抜け出そうと思って!」
そう言って手を離してくれた。
「さっきは助けてくれてありがとう。」
「いや全然。そんな大したことじゃねーよ。」
新は少し恥ずかしそうに頬を書きながら答える。


