「かっ、神崎先輩!」
階段を降りてきた先輩に声をかけた。
緊張で噛んじゃったけど…。そこは気にしない。
「何?」
明らかに迷惑そうに私を見つめる先輩。
「えっと、あの、文化祭あるじゃないですか。それで、一緒にまわって頂けないかと…」
しばらく沈黙が続く。
もしかして考えてくれてる?
期待しちゃうから…
断るなら早くして欲しい。
先輩がやっと口を開いた。
「…無理」
覚悟してたけど、悲しい。
先輩はいつも断るときに理由を言ってくれない。でも、聞いたら面倒くさいって思われそうで言えない。
「そっ、そうですか。じゃあ大丈夫ですので。さようなら。」


