「神崎先輩。あの、帰りは一緒に帰れますか?」
「帰りも無理。」
ここまではっきり言われると辛い。
涙が出てきそう…。
でも、ここで泣いたら絶対面倒くさい女だと思われる。
「そ、そうですか。お弁当置いて行きますね。容器捨てられるやつなんで、…中身もいらなかったら捨ててください。さようなら。また明日も来ますね…。」
私は涙をこらえて先輩から逃げるように、自分の教室へ走って行った。
これが私の日課。
毎日神崎先輩に断られるために教室に通っている。
でも、たまに先輩の気まぐれで一緒に帰ってくれる。それが嬉しくて毎日これを続けてるんだ。


