先輩は私の右手を掴んだまま歩き出して、
先輩と久しぶりに一緒に帰れる!
なんて浮かれていると、教室にカバンを置いてきたことを思い出して
「あの、神崎先輩。」
「何?」
「あの、鞄取ってくるので少し待っててください。」
「ん、わかった。」
そう言って掴んでた手を離す。
少し名残惜しい…。
もうこの後は繋いでくれないのかな?
私は教室に戻り、絢ちゃんのいる自分の机のほうへ向かった。
「絢ちゃん!ごめん…!あの、今日一緒に帰れなくなった…。」
「えー‼楽しみにしてたのにー!」
「…本当にごめん」
いつも慰めてくれてるのに、申し訳ない…。
でも今日このチャンスを逃せば、今度いつ先輩と帰れるかわからないから。
どうしても一緒に帰りたい。
「なんてね、嘘だよ♪
先輩と楽しんできてね〜!私は涼太と帰るから。」
文句を言ってたのは冗談みたいで、今はケロッと笑ってる。
良かった。
「ありがとう!絢ちゃん!じゃあまた明日。」
私は手を振りながら先輩のもとへと走って行った。


